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パッションフルーツの受粉に失敗!日本と原産国ブラジルの違い

更新日:

色々調べながら、日本でパッションフルーツを栽培している方に多いなと思ったのは、

せっかくパッションフルーツの花がたくさん咲いたのに、気づいたら花が落下して実ができない!

という悩みです。

これはブラジルのド田舎でパッションフルーツが勝手にたわわに実っている我が家ではとても考えられない事だったので意外でした。

こちらではパッションフルーツがある家庭はどこでもちゃんと実っているようだし、現に我が家ではたくさん収穫できてしまって、食べるのが間に合わなくて腐らせてしまうほど^^;

実は先日、腐らせるのは嫌だからブタにでもあげようか・・・、と相談したばかりでした(日本では希少なフルーツをブタにあげるのはなんか勿体無いので結局「ジャムにしよう!」ということになりましたが^^;)

原産国だから違うのか?何が違うのか?

気候?栄養分?それとも何か他の要因が・・・?

と考えていたところ、収穫しに行った時にその原因を発見しました!

この記事でわかること

  • 日本でパッションフルーツが自然受粉しにくい理由
  • 原産地にはパッションフルーツ専属の○がいた!?
  • 日本の○は逆に有害!?
  • プロのパッションフルーツ農家が教える受粉の秘訣
  • タイミングが合わなくても大丈夫!研究でわかった花粉保存のコツ

日本で自然受粉が成功しないわけ

その原因は、やはり原産国南米と日本の自然環境の違いなんだ・・・とつくづく思わされました。

パッションフルーツ大好物のバカでかい蜂

パッションフルーツを収穫しに行った時になんだか大きいものが飛んでいて「なんだろう?」と疑問に思い見てみると・・・

もの凄くバカでかい蜂が

ブーーーン、ブーーーン・・・

と花の周りを飛び回っているんです!

その羽音のデカイ事!親指くらいの太さと大きさで、最初はハチドリかカブトムシのちょっと小さいバージョンかと思っていました^^;

が・・・

やっぱりよく見ると蜂!

それが、収穫に来た私を威嚇するように集団でブーーーン、ブーーーンと飛び回っているんです・・・。「♪ブンブンブン蜂が飛ぶ♪」じゃなくて、まるで爆撃機が襲来するかのような

ブーーーン、ブーーーン・・・なんです^^;

コイツ等にやられたら本当に死にそうなので、おっかなくて写真は撮っていません。

・・・が、勇敢にも撮影している方がたくさんいたので、YouTubeから動画を拝借してきました。
最後の爆撃機のような轟音をぜひご視聴くださいませ 笑

動画で見ても大きな蜂だということが分かっていただけるかと思います。

さらにわかりやすいものはないか…と思っていたら、とてもわかりやすい写真を発見したので引用させていただきます。

3537156591_82217162d0_zphoto byAndrei

これ、カブトムシ系の硬い虫とかに見えますが、立派な蜂です!

画像を見ていただくとわかるかと思いますが、太い大きな体にゴワゴワと毛が生えていて、ぶっちゃけちゃうと羽の生えたミニタランチュラみたいです^^;

以下の画像では、この体毛にパッションフルーツの花粉が上手くつき、お辞儀している雌しべにつきやすくなっているのがわかりますね。

3537970106_48a0b236b8_z

photo by Andrei

こういうのが、結構な数飛び回っているので(しかも花が咲いている時に収穫しに行くと威嚇してくるので)私は「花が咲いている時は近づかない」ことにしました。
(こちらに住んで数年、蜂の行動パターンも読めるようになってきました 笑)

この蜂は、我が家に鳥がパッションフルーツの種を運んできて、勝手に自生するようになってから来るようになった蜂です。それまでハチドリはたくさんいたけど、こんなのは見たこともありませんでした。

ちなみに、ハチドリや大きな蝶も花の蜜を吸いにたまに来ていますがこのでっかい蜂達が大抵、花の周りを包囲しているので嫌がって(怖がって?)あんまり見かけません^^;

パッションフルーツとの相性

日本にもミツバチなど受粉を助ける昆虫はいるけど、なぜ彼らの力では結実しないのでしょうか?

パッションフルーツの花は大きく、花の構造上、おしべとめしべが結構離れています。

なので普通のサイズの蜂では、花との大きさが合わなくて受粉があまり成功できないのではないか・・・という仮説が立てられます。

その証拠に、我が家でいつもパッションフルーツを受粉してくれる蜂は花のサイズに合ってるし、実際彼らが飛び回っていたところはよくたわわに結実しているのです。

もし彼らがいなくても、ハチドリがいるので大きさ的には自然受粉の理にかなっているかなとは思いますが・・・

パッションフルーツの花の構造と、この蜂の体の大きさ、蜜を吸っている体制で花粉がつきやすい体毛の位置、あたかも「おいでよ!」と呼んでいるような花の開き方…

全てをとってもこれ以上ないくらい相性抜群です!

きっと彼らはパッションフルーツの受粉のためにうまれてきたに違いありません(笑)

・・・と、いうことで。
日本では見かけないこの大きな蜂が、原産国では受粉を助け、自生を促してくれている・・・自然が上手く調和しあっていてミラクルですね!

この大きな蜂は何者!?

(2018年10月1日追記)

「このミニタランチュラのような大きな蜂は、一体何者なんだ!?」と気になったので調べてみたら、「ママンガーバ(mamangaba)」※参考と呼ばれるマルハナバチの一種であることがわかりました。

マルハナバチというと日本でも生息していて、全身がモフモフの毛で覆われているキュートな蜂です。日本で見るマルハナバチはミツバチカラーで、大きさもミツバチより少し大きいくらいなので遭遇しても生命の危機を感じるほどではありません。

こちらが日本のマルハナバチ↓

でも、このママンガーバは黒々と大きい体に毛むくじゃらの体毛。何事かと思うような大きな羽音なので、日本のマルハナバチとは大違いですよね。

毛むくじゃらのお陰か、寒さにも強くて北半球(特にポルトガル)にも多く生息しています。

普段は滅多に人を刺さないけれど刺されるとすんごく痛くて病院行きだそうで、彼らがパッションフルーツの蜜を吸いにきている時に近寄らなかったのは正解だったようです 笑

しかもスズメバチのように何度も刺すことができるのだとか…。まさに、触らぬ神に祟りなし^^;

また、今回調べて初めて知りましたが、ママンガーバ世界的にもパッションフルーツを受粉させられる唯一の蜂で、ブラジルでは駆除や巣の破壊などが禁止されているそうです(実際、自然破壊のせいでブラジルのあちこちでママンガーバ不足におちいっていて、人工繁殖の方法が研究されています)

日本で遭遇することはないでしょうがもし海外旅行でママンガーバに遭遇した時は、絶対に駆除などせずになるべく遠くに離れましょう。そして、もし襲ってきたら何度も刺してくるので、死に物狂いで走って逃げてください。

(海外の人で刺された方のブログには、「水に飛び込め」と書かれていました^^;
見知らぬ土地で水に飛び込むのは大変危険なので当サイトではオススメしませんが…、そうでもしないと逃げきれないということなのでしょう…)

※参考123

ちなみにミツバチではほとんど受粉できない

(2018年10月1日追記)

ミツバチは小さな花を受粉するのには適していますが、パッションフルーツのような大型の花の受粉には体の大きさが合いません。

しかも、ビーポーレン※参考という花粉だんごを作る習性があって、働き蜂が花粉だけを集めて回るケースがあります。

パッションフルーツの雌しべがお辞儀していない場合は、雄しべの花粉に触れる機会は少ないため「働き蜂が花粉だけ採取して受粉できなくなってしまった…」ということもあり得るので、逆にミツバチに受粉を任せない方が無難ですね。

ミツバチ対策ならBIKOOがおすすめ!

パッションフルーツの花粉をミツバチにとられない対策なら、BIKOOの保護袋が最適!

わずか0.13mmの微孔がたくさん空いていて、蒸れや植物の呼吸を妨げずに害鳥や害虫から花を守ってくれます。また、透明なので中の状態がわかりやすく、袋で覆われていることで中が暖かいので多少気温が低くてもハウス栽培のような効果が期待できます。

パッションフルーツは食べごろになると果実がひとりでに枝から落ちますが、実は枝についている時間が長ければ長いほど甘くて美味しくなるため、農家さんによっては洗濯バサミや保護袋で果実の落下を防いでいるところもあるんです。

このBIKOOをうまくつければ、花をミツバチから守るだけでなく果実の落下を遅らせることも可能でしょう。サイズはS・M・Lがあるので、育てているパッションフルーツの大きさによって選ぶことができます。

楽天でも販売されていましたが、Amazonの方が少量(100枚)から購入可能でお買い得でした。各サイズのボタンを押すとAmazonのページに飛ぶようになっているので、気になる方はチェックしてみてくださいね。

BIKOO 農作物保護袋 S・M・Lサイズ

  • Sサイズ:イチジク用 (165×225)切りこみ付(農産物保護用袋)100枚
  • Mサイズ:中(200×300)サイズ(農産物保護用袋)100枚
  • Lサイズ:大(250×350)サイズ(農産物保護用袋)100枚

日本ではやはり人工授粉がオススメ

こういった自然環境の違いがあるので、日本でパッションフルーツを栽培して結実させたいならやはり自然受粉に頼らず、人工授粉をする事をオススメします。

(2018年10月1日追記)

人工授粉は花の中央にあるめしべの先っぽに(写真では中央の紫色の3つの時計の針のようなものの先っぽ)柱を囲む周りのおしべ(3本のめしべを囲む5本のおしべ)の花粉をつけてやればいいです。

でも、この原産国ブラジルで自然受粉させている蜂の体つきと飛び方的に、綿棒での人工授粉はちょっと物足らないかな・・・?という気もするのでおしべをピンセットでつまんで直接めしべの先にトントンとつけてあげた方が確実な気がします

以前簡単に人工授粉方法をご説明しましたが、さらに深く調べていたところ、YouTubeでブラジルのパッションフルーツ農家さんがとてもわかりやすく人工授粉方法を説明していました。まずは以下の動画をご覧ください。

「パッションフルーツの雄しべから花粉をとり、雌しべの先っちょにその花粉を擦り付ける」基本的な受粉方法は以前の説明と変わりません。

農家さんは軍手でそのまま受粉されていますが、一般家庭では綿棒などでもOKです(実際に他のブラジルの動画では綿棒を使っていました)

ただし、以前この記事で説明した方法以外で、新たにこの動画で説明されている受粉のポイントが2つあります。

  1. 同じ木の花同士で受粉させない(他家受粉させる)
  2. よく開ききった花の雌しべに受粉させる(雌しべがお辞儀しているもの)

この2つについて詳しく解説します!

他家受粉させる

特に一つ目の「同じ木の花同士で受粉させない」は、曇り日などの受粉で結実しにくい場合にも大事になります。

パッションフルーツは一つの木だけで実ができる「自家受粉」可能タイプと、二つ以上の違う木で受粉させないと実がならない「他家受粉」タイプがあります。

日本でよく栽培されている紫色系は「自家受粉」可能タイプですが、自家受粉「可能」なのであって本当は「他家受粉」も可能

しかも、紫色系でも他家受粉した方が果実の大きさが大きく、高確率で結実するんです。

なので「自家受粉OK」と言われて苗を一本だけ育てる人もいますが、じつは苗を二本以上育てて「他家受粉」した方がいいのです。

これはパッションフルーツの研究でも報告されていて、沖縄の紫色パッションフルーツ農家で、雨の影響を受けないハウス栽培なのに曇りや雨の日の受粉では結実率が悪いことを研究した資料がありました。資料はこちら

そこには同じ条件(曇雨日)で「自家受粉」と「他家受粉」で紫色パッションを受粉させたところ、自家受粉の方は結実率ゼロ(0%)他家受粉の方は結実率100パーセントという結果だったのです。

動画のブラジル農家さんも「違う(木の)花に受粉させます。同じ花に受粉させてはいけません」と仰っているので、できるだけ二本以上の木(同種でもクローンでない)を育てるといいですね。
(ちなみに、紫色系の他家受粉には「南十字星」という種類のパッションが適切なようです)

「雌しべがお辞儀している花」が受粉に最適

さらに動画の途中で違う花を探す時に、撮影者さんが「ここにありますよ」と言ったところ、農家さんは「いや、これはまだ閉じてる。もっと開いている方がいい」と話していました。

これは経験上、雌しべがお辞儀している方が結実率がいいことを知っているからでしょう。

特にパッションフルーツは自家受粉の場合は、雌しべがお辞儀せずに立っていると結実率が悪いことで知られています。他家受粉する場合は、雌しべが閉じていて(立っていて)も自家受粉よりは結実率が高いですが、農家さんのおっしゃるようにできるだけお辞儀しているものを探した方が良いようですね。

 

実はこの二つのポイントは、パッションフルーツの蜜を吸いに来たママンカーバの動きを見ていると、かなり納得できるものがあるんですね。

まず最初の動画にあったように、ママンガーバは一つの花で蜜を吸ったあと様々な場所の花に吸いに行きます。しかも花粉をたっぷりと体につけて。
そして原産地ではパッションフルーツ1種類が1株だけ生えているということは稀なので、自然と他家受粉になります。

さらに、ママンガーバがパッションフルーツの受粉をしている動画を色々見ていると、雌しべがお辞儀している花の蜜をよく吸いに行っているようにも見えるんです。

ママンガーバの活動時間とパッションフルーツの受粉最適時間がマッチしているのか?

受粉最適な花が独特のフェロモンを放出しているのか?

…はわかりませんが(^^;)、もしかしたら受粉を成功させる秘密があるのかもしれませんね。

二本以上育てても、受粉のタイミングが合わない時は!?

パッションを二本以上育てて他家受粉をする場合、難しくなってくるのがタイミングですよね。同じように育てても、片方は花が咲いてもう片方が咲かなければ受粉のタイミングを逃してしまいます。

そんな時に試したいのが花粉の保存

沖縄のパッションフルーツの研究では、一般家庭の野菜室で雄しべを保管できることが報告されています。

花粉の貯蔵 法 として,花粉 を葯か ら分離 し,乾燥なし状態 の 5℃で 9日まで保存が可能であることが明 ら かになった. この方法は家庭用冷蔵庫の野菜保 冷室が 5℃前後であることか ら,栽培において 簡易に活用可能であ り実用性が高い

沖縄地域学リポジトリより引用

パッションフルーツの花が咲いてまだ他の木の花で受粉できないようであれば、花粉のみ「乾燥しないで」冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。

注意ポイント

  • 雄しべや雄しべの先っぽ自体を保存すると、その水分のせいで劣化して結実しないそうです
  • また、-5度や0度では結実率が下がるので、冷蔵庫の野菜室というのは大きなポイントです

報告書には保存期間が「9日まで」と書かれていますが、自宅の冷蔵庫の開閉頻度を考えると1週間程度と考えておいた方が良いかもしれません。

その間に、他の木で咲いたパッションフルーツの花に次々と受粉させます。保存した花粉は、通常の花粉より若干結実率は下がるらしいですが、それでもきちんと実がなると報告されています。

ご近所で他家受粉してもいいかも

人工授粉方法を調べながら、「栽培環境によっては1つの苗しか育てられないケースもあるよな〜」と少し考えていました。室内で育てている場合も、できれば実がなってほしいですよね。

そこでちょっと閃いたのですが、もしご近所や親戚の家でパッションフルーツを育てているところがあったら、開花時期に花粉交換して他家受粉してみたらいかがでしょうか?

一つのコミュニケーションツールにもなりますし、他家受粉したら結実率も果実の大きさもUPするということなので、お互いがwin-winになれるのでは…と思います。

この記事のポイント

  • 原産国にはパッションフルーツ専属の蜂がいた
  • その蜂はママンガーバという名前の大きな蜂
  • ミツバチは花粉を採取して花粉だんごを作るから対策が必要
  • 人工授粉は他家受粉がよい
  • 雌しべがお辞儀している時に受粉するとGOOD!
  • タイミングが合わない時は、冷蔵庫の野菜室で花粉保存がおすすめ

もし美味しいパッションフルーツが自宅でとれたら様々な食べ方とレシピも掲載しているので、是非こちらを参考に南国の味を楽しんでくださいね♪

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